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“合理的に幸福になる”ための設計図

  • inutarokun
  • 5月8日
  • 読了時間: 4分

人的資本だけでは足りない。

フリーランスとして、自分の人生をどう設計していくか。


「人的資本を磨く」──

これは、私たち nodomaru human capital が創業以来、もっとも大切にしてきた支援の軸です。


スキルや経験、価値観、言語化力。

そうした“見えにくい資産”を丁寧に育てることが、プロフェッショナルとしての土台になり、

働き方の自由度やキャリアの選択肢を広げる鍵になる。そう信じて取り組んできました。


しかし、実際に多くのフリーランスの方と向き合う中で、ある問いにぶつかるようになりました。


それは──

人的資本をどれだけ磨いても、それだけでは豊かさや安心にはつながらないのでは?



『シンプルで合理的な人生設計』に学ぶ、「三つの資本」


この問いを言語化するヒントとなったのが、橘玲氏の著書『シンプルで合理的な人生設計』です。


この本では、人生における“資本”を以下の三つに分類しています:

1. 人的資本(=働くことで得られる将来の収入)

2. 金融資本(=貯蓄・投資などの“お金の資本”)

3. 社会資本(=信頼や人とのつながり)


人的資本とは、自分が「働くことで生み出せる価値」

たとえばエンジニアであれば、スキルを市場で活かすことによって得られる収入全体が人的資本です。


一方で、金融資本はその対極にある「自分が働かなくても、もたらしてくれる収入源」であり社会資本は、コミュニティとのつながりや、いざというときに支え合えるネットワークといった“関係性の資本”。


この三つをバランスよく設計していくことが、実は「合理的に幸福になるための一番確実な道」だという話です。



フリーランスという働き方にこそ、資本設計が必要だ


フリーランスは、ある意味で「人的資本を最大限に活用して生きていく働き方」です。

スキル・信頼・実績──すべてがその人の価値として、ダイレクトに評価されます。


だからこそ、私たちの支援も「人的資本をどう育て、どう伝えるか」に力を注いできました。


けれど、実際に支援を続けるなかで、人的資本の成長だけでは補いきれない課題があることにも気づいてきました。


たとえば…

• 案件が継続しなくて、月の収入がゼロに近づく不安

• 将来の病気や休業に備えた「金融的な余白」がないことによる焦り

• 人とのつながりが薄れ、孤立や情報格差が生まれる状況


こうした課題は、どれも「金融資本」や「社会資本」がうまく設計されていないことから生じているのです。



法人としての「人的資本経営」ではなく、個人の“人生設計”としての三つの資本


最近、「人的資本経営」という言葉がビジネスシーンで注目を集めています。

企業が「人材への投資を中長期の成長戦略と捉える」考え方です。


ただ、私たちが向き合っているのは“個人”です。法人ではありません。


大切なのは、「私」というひとりの人間として、

人的資本・金融資本・社会資本をどう組み合わせ、自分なりの最適な人生を設計していくかという視点です。


自分の人的資本を磨きながらも、金融資本で安心を支え、

社会資本で孤立せずに学び合い、支え合う。


その三本柱がそろってこそ、働き方に「自由」と「安心」が同時に生まれる。



nodomaru human capital が目指す、“三つの資本”を支える場づくり


私たち nodomaru human capital は、こうした考えのもと、人的資本だけでなく、

金融資本や社会資本の基盤づくりにも、より意識的に関わっていこうとしています。

• 働き方の相談ができる場所を用意する

• 案件以外のつながり(勉強会や雑談の場)をつくる

• 経済的余白や資産設計について話せる機会を増やす


こうした“土台づくり”によって、

フリーランスがもっとしなやかに、安心して働ける環境を支えていきたい。



最後に──自分なりの「三つの資本設計」を考えるということ


大切なのは、“正解”を見つけることではありません。


「私にとっての最適解は何か?」

それを問い続けながら、三つの資本を少しずつ見直していくこと。


それこそが、合理的で、持続可能な幸福への第一歩だと、私たちは信じています。


 
 
 

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